色川法律事務所Irokawa Law Office

法律コラム

第52回 マイナンバー法について

2014/11/05

 いわゆるマイナンバー法―行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律―が、平成25年5月31日公布され、その一部は、平成26年1月1日から施行されていますが、あまり広く認識されていないように思われます。

 このマイナンバー法は、住民票を有するすべての個人に、住民票コードを変換して得られる12桁の個人番号を割り振り[1]、国や自治体の行う社会保障、税、災害対策などの分野[2]で、行政運営の効率化と公正な給付・負担の確保を図ることを目的に[3]、個人情報保護法などの特例[4]として定められたものです。

 法の施行は、平成27年10月が予定されており、同年10月以降、各個人宛に紙製の「通知カード」が送付[5]される予定で、ともに送付される申請書を利用して、平成28年1月以降、「個人番号カード」の交付を受けることができます。「個人番号カード」は、プラスチック製でICチップが付けられ、住所、氏名、生年月日、性別の外、顔写真とマイナンバーが記載されます[6]。カードの有効期限は、20歳以上は10年、20歳未満は、容姿の変化を考慮して5年となるようです。

 平成28年1月以降、行政機関へ提出する書類には、マイナンバーを記載することが必要となります。「個人番号カード」の取得は強制されませんが、マイナンバーの記載が要求されるようになると、紙製の「通知カード」では対応できなくなるかも知れません。

 ところで、社会保障や税の分野でもカードが利用されることになると、民間事業者においても、従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し、これを記載して、給与所得の源泉徴収票の作成や社会保険関係の手続を行うことになります。また、各種支払調書などにもマイナンバーを記載する必要があります。

 そうなると、従業員等からマイナンバーを取得し、これを保管しなければならなくなります。どのような手続・方法・手段でマイナンバーを取得するか[7]、取得したマイナンバーやその他の情報の漏洩・滅失・毀損などを防止するため、どのような管理を行い、措置を講じなければならないか[8]、早急に検討を要する問題です[9]。

 特定個人情報保護委員会から事業者に対するガイドライン案が示され、パブリックコメントが募集中(11月9日まで)ですが、これまでの個人情報保護法以上の厳しい管理態勢を構築する必要がありそうです[10]。

 なお、法人についても、商業登記法に基づく12桁の会社法人等番号の前に、1桁の数字を加えた番号が付され、個人とは異なり、その番号は公表されることになっています[11]。

 

以上

                               


[1] 2条5項

[2] 9条

[3] 1条、3条

[4] 1条

[5] 7条

[6] 2条7項

[7] 本人確認の措置について16条

[8] 12条

[9] 当該事務を専門業者に業務委託できるが、必要な監督を要する。10条、11条

[10] 罰則も強化され、法人に対する両罰規定も設けられている。67条以下

[11] 58条

執筆者:中村 隆次

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